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ありがとう2018年 (3冊の本とともに)

さあ年末も差し迫って参りました。
せっかくブログも再開させたことだし、ゆっくり今年を振り返ってみようと思います。
と、その前に、今年出会った、考えを変えるきっかけとなった本を紹介してみようかと。
結構ぶっとんだタイトルや内容のものもありますので、心の準備をお願いします。笑
では、行きましょう!
変革!ありがとう2018年の旅~!!

2018年、私を変えてくれた本リスト

①自分の思考パターンを認識させてくれた本
『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』豊島ミホ
…はい、初っ端から飛ばしたタイトルでしょう?笑
この本を手に取ったきっかけは、私にも大きらいなやつが、い……いるにはいたんですけどそこはあまり関係なくて。笑
実はたまたま購入していた、千野帽子著『人はなぜ物語を求めるのか』に
「まず読んでほしい、苦しむ人のためのライフヒストリー」として紹介されていたこと。
また詩人・文月悠光さんが、「がんじがらめになった心の呪いを解く本」としてこの本を紹介されていたことがきっかけでした。
(この文月さんによる紹介ページの序文が、これまでの私を表すかのような文章だったことにも大きく影響されました。)
この本には、高校時代に保健室登校をしていた著者・豊島さんが、その時精神的に受けた傷や無力感からなかなか立ち直れず、作家として働くようになってからも苦しみ、挫折し、そして少しずつ立ち直っていく軌跡が描かれていました。
この本を読んだ当時のメモが残っていたので、掲載します。
「著者の結論を素直に肯定できない私がいて、それだけ私の中の価値観が今ぐらっぐらしてる。ただ、なんであんなに今までの自分が攻撃的だったのか、あと学生時代の私がまだ成仏してなくて、今も胸んとこにずっといるんだなってことがよく分かった。それが分かっただけでも読んでよかった。」
私も、小中高、学生の頃はどこか周囲に馴染めない子供でした。
学校に通えてはいたけど、友達とうまく付き合えなくて、一人で教室移動をして、一人で弁当を食べて、休み時間は寝たふりをするか本を読んでいました。読書をしているときは本の世界に逃避できたから、孤立している自分を直視しなくて済みました。
でも、そんな状況やうまく人付き合いのできない自分に、少しずつ、でも確実に傷ついていました。
そして、自分でも気づかないうちに、うまく関わることのできなかった同級生たち「みんな」を、所謂「リア充」を、内心馬鹿にして、敵対視するようになっていました。気付かなかっただけで、本当は手を差し伸べてくれていた子もいたかもしれないのに。
そのことに私はこの本を、豊島さんのライフヒストリーを読んで、ようやく気が付きました。豊島さんの物語は、私の物語だとさえ思いました。
著者の結論を素直に肯定できない、とメモに残していたのは、豊島さんが結論として提示した人付き合いのスタンスに違和感を覚えたからです。
確かにその通りにすれば、傷つくことはぐっと減るかもしれないけれど、そこから学べたかもしれないことまで切り捨ててしまうのではないか?
そんな風に当時感じたことを覚えています。
色んな意味で、自分の人との向き合い方を考えさせられる本でした。

こんな感じであと2冊、紹介していきます。
ちなみに、この後の2冊も『人はなぜ物語を求めるのか』で紹介されていた本です。
この『人はなぜ物語を求めるのか』自体の内容も紹介できれば良かったんですが、
……内容ど忘れしてしまって……すみません……。笑
また近いうちに読み直します。
それでは次の1冊!

②自分の態度を見つめ直す、小さなきっかけをくれた本
『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』二村ヒトシ
「一見女性向けの恋愛本に見えますが、そのじつ家族心理の問題に真正面から取り組み、恋愛だけでなくビジネスや教育、芸術へと延長して適用できる、たいへんに効きめのある本です」
と、『人はなぜ~』で紹介されていたこの本。
著者の二村さんはAV監督。本を開けば「ヤリ〇ン」という文字のオンパレードで、ちょっとギョッとしてしまうかもしれません。笑
しかし内容は、人が恋をするそもそもの仕組みとして「心の穴」という概念を提唱し、その「心の穴」は親によって開けられたものであり……、と展開され、自己受容という問題に入っていきます。
二村さんが持論を展開するばかりでなく、女性読者や編集者、また臨床心理士・信田さよ子さんとの対談も掲載されていて、二村さんがコテンパンに論破されている箇所もあります。敢えて反論意見も載せるところが面白いです。
ただ、この本で私が一番印象に残った箇所は、本筋とは少しずれるのですが、二村さんと対談する女性読者の態度でした。
彼女はいわゆる「ヤリ〇ン」と呼ばれる男性の不誠実さを、二村さんへ切々と訴えます。「どうして?」と理由を知りたがる彼女の姿は、痛々しささえ感じさせるほどで。いつしか私はそこに自分の姿を重ねていました。
そして、この痛々しさをきっと私の周囲も、私に感じていたんだろうなと思いました。
二村さんと女性読者は、まったく違う恋愛観を持っていて。でも女性側は自分の尺度以外のものの見方があることを、理解はできても実感ができていないから、苛立ちをそのままぶつけてしまっているように見えました。
この本を読んだ少し前に、私自身、対人関係で同じように苛立ちをぶつけてしまったことがありました。
きっと相手は少し面食らっただろうな、もう前のような関係には戻れないだろうけど、もうちょっと落ち着いた言い方もできたかもしれないな……と、この本を読んで思うようになりました。
怒りに身を任せていた自分を、少し冷静にさせてくれた本です。

③一歩踏み出すことの大切さを、逆説的に教えてくれた本
『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』頭木弘樹
最後の1冊はこちら。いつも参加させていただいている読書会で、「私の人生を変えた本」として紹介した本です。
以下、少し核心部分に言及しますのでご了承を。
タイトルの通り、カフカがなぜ自殺しなかったのか、カフカの日記や手紙をじっくりと読み解きながら、その実像に迫ろうとしたこの本。
そこから浮かび上がってくるのは、仕事や家族関係、そして恋愛に思い悩むカフカの姿でした。
ただ、端的に言って、カフカ、とても面倒くさいです。フェリーツェ(カフカの彼女)、よくカフカと付き合い続けたなと思います。恋心を暴走させるカフカ、ちょっと、いやかなり怖い。私だったら別れる。笑
でも読み進めるうちに、悩み、戸惑い、言うことを二転三転させ、もがき苦しむカフカのことが、次第に愛おしく思えてきます。
(著者の頭木さんによる、あたたかくカフカを見守るような解説の力も、とても大きいです。)
そして私はここでも、思いっきりこの面倒くさいカフカに感情移入していました。その面倒くささが他人と思えませんでした。
だからこそ、カフカに起こった事件がショックでした。それは、喀血。カフカは結核にかかっていました。
自身の人生について大いに迷いに迷いまくった後、カフカがようやくフェリーツェとの結婚へ踏み出そうとした矢先の出来事でした。
カフカが自身の病気について語った言葉で、印象的なものがあります。
「ぼくの病気は、心の病気です。肺の病気は、この心の病気が岸辺からあふれ出たものにすぎません。」
また、この本を読んだ頃の感想メモに、私はこう書いていました。
「優柔不断で、情緒不安定で、気持ち悪いカフカは、はっきり言って破滅したと思う。でも私は、カフカの気持ちが分かる」。
人間、あまりに悩みすぎると、身体を壊すんだ。カフカのようにと言うのは大袈裟かもしれませんが、当時悩みの真っ只中にいた私には、カフカのこの喀血がとてもショックでした。
カフカは病気をきっかけに、結婚を諦め、働くことを辞め、療養生活に入ります。奇しくもそれは、カフカが悩みから解放されることでもありました。カフカはなぜ自殺しなかったのか。それは、わざわざ自殺しなくても、もうじき死に至る身体になったからだと、私は思いました。
私はカフカの気持ちに感情移入していたからこそ、カフカが愛する人との幸せを手に入れられなかったことが悲しくてなりませんでした。
著者の頭木さんは、決断を敢えて下さず、悩み続けたカフカの弱さを決して否定していません。
でも私は、頭木さんの意図とは違うかもしれないけど、あまりに悩みすぎるのはよくない、と思うようになりました。
同じ「面倒くさい」人間としてカフカを同胞のように思うからこそ(カフカはそんなん知ったこっちゃないと思うでしょうが)、
私は一歩踏み出して、幸せになりたいと思いました。
この本もまた、私の意識を変えたという点で、忘れられない1冊となりました。

(この紹介ではカフカのネガティブな面ばかり目についてしまうかもしれませんが、カフカの日記や手紙はとてもユーモラスで面白いです。また、恋人フェリーツェとの別れの場面は、切なくも情感たっぷりで、何度も読み返したくなる美しさがあります。敢えて明確な結論を出さない頭木さんのスタンスも、この本の美しさの根底となっていると思います。)
興味を持っていただいたのなら、ぜひお手に取ってみてください。

……思った以上に長くなってしまいました。笑
お付き合いいただいた方、ありがとうございました!
追記では、ごくごく簡単に私の2018年を振り返りたいと思います。完全な自己満足です。笑
読んでやってもいいよという方は、追記へお進みください^^


2018年。こんなに見た目も心も変わる年になるとは思っていませんでした。
詳細は差し控えますが笑、気持ちのアップダウンが激しくなる出来事がありました。
東京駅で友人の顔を見た瞬間号泣したり、また別の友人に「あなたの泣き顔初めて見たよ」と言われたり。笑
落ち込みすぎてごはんが食べられなくなり、ようやく片がついたと思った途端に風邪を引いたこともありました。笑
我ながら本当に単純だと思います。知人には「考えすぎて脳が疲れたんだね」と言われました。心と体って連動してるんですね。
先ほど挙げた3冊の本は、この頃に藁にも縋る思いで読んだ本です。素直に励まされないところが私らしいのかもしれません。笑
落ち込み切った私は、このままじゃだめだ、と痛烈に思いました。
まずは見た目を変えようと思い、美容院を変え、整体に通うようになり、メイクレッスンにも行きました。メイクを変えると、手持ちの服に違和感を持つようになり、ファッション誌を読み、新たに服を買い足しました。
そこで思ったこと。
見た目を整えて、自分で自分を好きと思える、認められる外見になると、とても生きやすいということです。
これまで感じていた周囲への怯えが少しずつ消えました。笑顔がこれまで以上に出せるようになりました。
やってみよう、と思うことが増え、実行に移せるようになりました。
ある時、会社の同期が見た目を褒める際に言ってくれた、「明るくなったね」という言葉が一番嬉しかったし、実際そうなんだろうと思います。
もちろん全てがトントン拍子で進んだわけではなく、一進一退、寝坊した朝なんか「これは…良くないな……」と思ってしまうような状態で出社してしまうこともあります。笑
でも、前よりは絶対に、私は私のことが好きです。

あと大きな出来事といえば、退路を断つため、18年間通ってきた習字を辞めました。
習字の先生の存在は私にとって安心そのもので、だからこそ離れることを決めました。
離れると決めてそれを伝えたときは辛かったけれど、後悔はしていません。
「あなたはいざという時、言葉に詰まってしまうタイプだから、本当の気持ちが言えなかったり、そうじゃないのに……って違う受け止め方をされてしまうでしょう」。
習字を辞めるという話を先生にしたとき、いただいた言葉です。
もうちょっとここにいさせてあげたかった、もう少し色んなことを教えてあげたかった、と先生が言ってくれたとき、私は大切に想われていたのだと、改めて知りました。
習字の先生だけでなく、落ち込んでいたとき話を聞いてくれた友達、様子のおかしい私を心配してくれた家族。
一人で頑なになっていたときはわからなかったけど、たくさんの優しい人に囲まれていたことにようやく気づいた一年でした。
まだ気持ちをうまく表現できないときもある私ですが、
そんなときは少しずつでも時間がかかってもいいから、ここに本当の気持ちを書くことで、伝えていけたらいいなと思います。
気まぐれな更新になるかとは思いますが、お付き合いいただければ、嬉しいです。
2019年もよろしくお願いいたします。
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Comments 2

あけみ  

〈同じ「面倒くさい」人間としてカフカを同胞のように思うからこそ、私は一歩踏み出して、幸せになりたい〉ほか、共感ありありです。〈私は私のことが好き〉といえるような人生でありたいと、わたしも日々を過ごしています。

習字の先生とのお話、心に刺さりました。上手く言葉にできないのですが、さきさんの気持ちも先生の気持ちも、どちらにもじーーんときました。素敵な先生に習われてたのですね。一旦離れたようにみえるご縁も、またいつか、新たな形でつながる日がくるのかもしれませんね。

これからもブログ、楽しみにしております。

2019/01/10 (Thu) 11:15 | EDIT | REPLY |   
さき  
Re: ありがとう2018年 (3冊の本とともに)

あけみさん、コメントありがとうございます〜!(*´◒`*)

正直に書き綴った記事なので、
共感したとのお言葉がとても嬉しいです。

習字の先生とのやり取りですが。
表情や字の変化から、
私が悩んでいたことを全て読み取った上で、
黙って見守ってくれていたそうです。
離れた今でも私にとっては大切な師匠なので、
あけみさんのコメントに励まされました。

私もあけみさんのブログや読書メーター等、
いつも楽しく拝見しております。
これからもよろしくお願いいたします(*^o^*)


2019/01/10 (Thu) 21:18 | EDIT | REPLY |   

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