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2019.10.06 彩ふ読書会・実験的課題本読書会「声に出したい I Love You 会」レポート

こんばんは!
10月の寒暖差についていけない私です!なんなんだこの気温差!!もっと秋って過ごしやすい季節だったはず!!

…そんな訳でめっちゃ話逸れかけましたが笑、
10月6日に行われた彩ふ読書会・実験的課題本読書会「声に出したい I Love You 会」
のレポートを行なっていきますね!



今回は通常の課題本読書会と異なり、
色んな”I Love You”が集められた望月竜馬著『I Love Youの訳し方』から、
①言いたい台詞
②言われたい台詞
③その台詞が好きなポイント
を発表し、①②を朗読し合うという形式!
そして全体発表では、各テーブルで人気No. 1になった台詞を盛り込んだ寸劇を行うことになりました…!
いやはやこれを考えたヅカ部長さんすごいな!笑
てなわけで早速振り返りまいりましょう!


<Aテーブル>
私は進行役として参加しました。
同席したのは彩ふ読書会主催ののーさん、京都サポーターのBさん、名古屋からの遠征リピーターの男性参加者さん、
京都と大阪両方参加してくださる大人クールな女性の方、2回目のご参加である女性参加者さん(前回あのこは貴族会で私と同テーブルでした…!)、そして4人のお子さんがいらっしゃるという初参加の女性の方でした。
計6名で胸キュン台詞について語り合った訳ですが、全部を拾い上げるとどえらい長さになるので笑、
それぞれの参加者さんの個性が出た箇所を取り上げますね!


①わたし(隊長)
「娘は誘惑されなくちゃいけないの
 それもあなたのようなひとから」 茨木のり子(p.186)
言いたい台詞として真っ先に私が取り上げたのはこちら。
大好きな茨木のり子の詩の中でも、とりわけ好きな作品から引用されてたので、ちょっと運命を感じてたのです。
でもこの詩は全体を読んでからの締めにこの台詞が効いてくるので、詩全体も紹介させていただきました…!
内容は、どう考えても自分のこと好きっぽい男性が一向に手を出してこないことにしびれを切らした女の子の唄、
とでも言えばいいでしょうか。
あなただからいいのに、ってところがミソですね。「あほらしい唄」ってタイトルがついてるところがまたかわいいです。
あほらしいって自分で分かりつつも言わずにいられないっていう……。
ああどうしよう推し作品に対しては饒舌になってしまう……オタクの性ですね。
こちらのフレーズ、女性陣からは「素敵~!」と高評価だったものの、
男性陣からはそんなに……だったのが面白かったです。笑

「喜代ちゃん、これからどこかへ酒を飲みに行こう。君を酔っ払わしてみたいんだ」 豊島与志雄(p.96)
こちらは言われたい台詞として紹介。京都サポーターBさんに朗読してもらったものの、照れからかなぜか大爆笑してしまったわたくし……。笑
「何で笑うんだ」とぷりぷり怒るBさん、他の男性二人にもこの台詞を読ませます。……でも、なんか、違う…………。(超失礼)
「なんか足りない」と首を捻っていた女性陣ですが、後の全体発表で雷に撃たれるような衝撃を受けます。
腑に落ちるとはああいうことだったのです…!こちらは最後に書きますね。


②初参加の女性参加者さん
「会いたくて 淋しい
 あなたに会いたくて淋しい
 会えなくて淋しいではなく」 北川悦吏子(p.66)
言いたい台詞としてご紹介くださったのがこちら。さすがは恋愛ドラマの名手・北川悦吏子といったところでしょうか。
このフレーズは我らがAテーブルの人気No. 1に輝いたものでもあります。
「想う人がいる『淋しい』と、いない『淋しい』は違う」
というお言葉に、重みを感じました…!
確かに特定の人を想う『淋しい』と、ただ孤独を耐え忍ぶ『淋しい』には大きな隔たりがあるように思いますね。

「わたしが淋しいのは、あなたがわたしに欲情を抱いていないということに対してなの」 森瑤子(p.146)
参加者さんによる好きポイントの説明も含めて、私に強烈に刺さったのはこちら。
「本能で求められていないのは淋しいし、横にいるとそれは分かってしまう」とのことでした。
衝撃のあまり「なるほど……」「大人ですね……」としか言えない進行役だった私ですが、
良くも悪くも伝わってしまうものだと言えますね、こういうのは……。もちろん逆も然り。
この方による初参加にしてかなりの斬り込みぶりが大変ありがたかったです。
話し合いの最後にも興味深い質問をしていただいたのですが、こちらはまた後ほど!


③名古屋からの遠征リピーターさん
「愛しているから 愛していると言えないのです
 許してください 私の不器用な沈黙を
 私はあなたをとりかこむ空気になりたい
 あなたの肌にむすぶ露になりたい」 谷川俊太郎(p.106)

「『好き』
 その、たった二文字を声にするのが、
 どれほど、難しく思えたことか」 折原みと(p.38)
めちゃくちゃ野暮なこと言いますが、読書会での発言や取り上げる箇所って、その人を表すものだなぁと思います。
この方は今回、想いを口にすることへの躊躇いや戸惑いを語られていて、勝手に親近感を抱いてました。
「これ言って嫌われたりしないかという葛藤がある」、「(気持ちを)声にするまでのハードルの高さを感じる」などなど…。
ほんとに言っちゃっていいのか、みたいなもだもだした気持ち、めちゃくちゃわかります…!


④京都サポーターBさん
「たくさんのおんなのひとがいるなかで
 わたしをみつけてくれてありがとう」 今橋愛(p.108)
女性から言われたい台詞として紹介されたのがこちら。
さっそく大人クールな女性参加者さんに朗読してもらったBさんですが……
めちゃくちゃ照れてました。あんな照れてるBさんを今までで初めて見ました。笑
いざ実際に言われると恥ずかしい~!とのことです。
「シンプルなのが好き」、「偶然が重なった感じがいい」とのお言葉に頷く一同。
2回目の女性参加者さんからも、「全部ひらがななのがいい」ともコメントが。
さっきの「淋しい」もそうですが、どの漢字を使うか、またはカタカナかひらがな……。
使われる文字によって印象が変わりますし、こちらは日本語ならではの良さなのかもしれませんね!

またもう一つ紹介してくださったものの中で印象的なものがあるのですが、こちらはまた後ほど!


⑤のーさん
「別れろよ、とにかく。そして俺と付き合えばいい」 北方謙三(p.212)
いつも穏やか~な、のーさんのキャラとは正反対のこの台詞が「言いたい台詞」としてセレクトされました…!
のーさんご自身も、「絶対自分のキャラじゃ言わない」から選んだとのこと。
ここで初参加の女性参加者さんから、「女子は強引な人が好きですよね」とのコメントが。
まあ確かに(但し好きな人に限る)とか色んな但し書きが付かないとは言い切れませんが、
ここまで強引だと押し切られちゃうかもしれません。
また京都サポーターBさんによると、北方謙三先生はハードボイルド作家とのこと。
海で一本釣りとかしちゃうイメージらしいです。一体どんな作家なんだ北方謙三……。

「ありがとう、わたしのことを好きになってくれて」 藤野恵美(p.26)
こちらは「言われたい台詞」として選ばれたもの。
敢えて白状しますが、あーはい、健気系ねハイ、とつい思ってしまった私、ひねくれてるのかもしれません。笑
このフレーズは朗読者を選ぶくじにて怒涛の勢いで当たり続けたクールな女性参加者さんに読んでいただいたところ、
のーさん、めちゃくちゃ照れてました……。
「これめっちゃ恥ずかしいですね!」とBさんと照れ笑いするのーさん、男子高校生のようでした。笑
「まだ返事が分からないドキドキ感がある」、「どういうシチュエーションなのかわからない」のが好きなポイントだそうです。



⑥大人クールな女性参加者さん
「疲れた君がひたすら海をみるための
 小さな白い椅子でありたい」 斎藤芳生(p.128)
こちらもテーブルで人気No. 1に輝いたフレーズ。この方は、「言われたい台詞」として取り上げてくださいました。
著者の「沈黙をゆるされると、人は安心するものである」というコメントに共感したそう。
「安心しきってる人だと沈黙が気にならない」とのお言葉に、わかる~!!と共感の嵐でした。
包容力に溢れてる感じが私も好きです。

「先生、首をしめてもいいわ。うちに帰りたくない」 川端康成(p.168)
なんとも狂気的なフレーズですが、こちらの女性にとっては「この本でこれが一番好き」とのこと。
かく言う私もこの言葉はかーなーり好きです。笑
帰りたくない、って女子が口にする時点で相当覚悟決まってると思うんですが、
首を絞められてもいいなんてこの子は相当「先生」にのめり込んでるんでしょう。思春期おそろしいですね!


⑦2回目参加の女性参加者さん
「頼むから、口をつぐんで、僕に恋をさせてくれ」 ジョン・ダン(p.178)
ひゃ~~熱烈~~!と叫びたくなるようなこのフレーズ。「言われたい台詞」として紹介してくださりました。
こちらの女性の方曰く、「急にこれを言われるとドキッとする」とのこと。
すると京都サポーターBさんから、「これ顔濃くないと言えないでしょ!」と横やりツッコミが。
一般男性には情熱的すぎるのかもしれません。
まあ確かにジョン・ダンって名前だし、この人外国人なんでしょう。たぶん顔も濃いんじゃないでしょうか。
でも私見ですが、坂口健太郎みたいな塩顔男子に言われてもたぶんドキッとすると思います!
気の置けない友人から恋人に移り変わる瞬間のドキドキ感がありますね。


「さようなら。もうお目にかかりません。
 でもすこしだけ、誰かのものになれてうれしかった」 江國香織(p.50)
出た~~~江國香織~~~そういうところな~~~!と叫びたくなるこのフレーズ。(私だけですね)
この女性の方のご友人が、朗読を聞いて二滴涙が出た、とのこと。
二滴ってのがドラマチックですね。ご友人もぜひ読書会にいらしてほしい…!
ちょっと不倫っぽい香りもしますが、こういうこと言って消えていける女の人は案外したたかに生きていきそうな気がします。(すべて妄想です)



こんな感じで各々恋愛観を滲ませつつトークはつつがなく進行していきました。
すると最後、京都サポーターBさんが取り上げられた、なんとも衝撃的なフレーズが再び話題に。

「僕はもう何度も、彼女を食べる夢を見た。あまり火を通さない、生焼けのうちがいい。彼女は従順で、肉になっても微笑を絶やさず、仔牛と野鳥の中間のような味がして、なんとも言えずいとおしい。彼女に対する情感が、煮詰められて、けっきょく食欲に収斂してしまうらしいのだ」 安部公房(p.160)

た、食べちゃうんだ……肉になっても笑ってるってすごいな……と私は思ってしまうこのフレーズ。初参加の女性参加者さんから、この対になるようなフレーズが紹介されました。

「私が死んだら 骨のかけらをあなたの身体に収めてほしい
 いつもつないでいた左手の薬指の骨
 そしたらあなたに内蔵されて
 カルシウムになれる
 私あなたのカルシウムになりたい」 綿矢りさ(p.94)

カルシウム…なりたいのか…そっか……と私は思考停止してしまったこのフレーズですが、女性参加者さんから
「やっぱり男性が食べる側で、女性は食べられる側なんですかね。みなさんどう思います?」と問いかけが。
うーーんとみんなが考える中、私は森見登美彦さんの有頂天家族に登場する女性キャラの、
「食べちゃいたいほど好きなんだもの」
という台詞を思い出しました。
それを受けて話題になったのは、
「支配する側=食べる、支配される側=食べられる」という図式。
まさかのI Love Youからとんでもないところまで飛躍しましたが、面白い着地点になりました!



<全体発表>
ついにやって参りました寸劇のお時間。
トップバッターを務めるのは我らがAテーブル。京都サポーターBさんと私で挑みました。

「ショートコント、北方謙三」
とBさんが言った瞬間爆笑に包まれる会場。
そして不意打ちを食らった私もなかなか笑いが止められませんでしたが、なんとかやりきりました…!

男「別れろよ、とにかく。そして俺と付き合えばいい」
女「ありがとう、わたしのことを好きになってくれて。でもごめんなさい」
男「すきになる ということは 心を ちぎってあげるのか
   だから こんなに痛いのか」

最後のフレーズは工藤直子さん(p.80)によるもの。ラストも笑いが生まれると踏んでいた我々ですが、会場からは「おお〜」と感嘆の声が漏れていました。
そしてお気付きの通り人気No. 1フレーズを盛り込まずに笑いに走った我々、戦績は一勝一敗といったところでした…!


続いてBテーブル。
切羽詰まった官能的な大人の男女のやり取りが繰り広げられました。
途中で京都リーダーさんによる「で、飲んでます~」というゆるすぎる場面説明が挟まれたりしましたが…。笑
ここで特筆したいのは例の
「喜代ちゃん、これからどこかへ酒を飲みに行こう。君を酔っ払わしてみたいんだ」
…出ました。正解が。私たちAテーブル女子が待ち望んでいた正解が!
朗読者は京都サポーターであるTさん。エエ声~な低音ボイスに加えて、ちょっと気障っぽくバーに誘うような感じ。
そうそうこういうのこういうの!!と頷きあう女子たち。
そんな容赦無い女性陣を見て、「なんか違う」呼ばわりされていたBさんは内心嫉妬に狂っていたそうです。笑


そしてラストのCテーブル。
まさかの場面セットの配置からスタート。椅子を並べてベッドに仕立て上げていました。
朗読者の大阪サポーターのリーダー・副リーダーのお二人はいつもの馬鹿笑いを封印して(失礼)、
余命少ない妻を看取る夫、という夫婦をまじめに演じ切っていました。
「ショートコント・北方謙三」で思いっきり吹いてしまった自分を猛烈に恥じた私でした……。演技力向上に努めます。笑



そんなこんなで大好評のうちに幕を閉じた実験的課題本読書会。
終了後もテーブルの垣根を越えて話が盛り上がる、まさに祭りの後のひとときでした!


その後はヒミツキチと題したフリートークタイム。
JOJO読書会を行うテーブルもあれば、
私や京都サポーターのひじきさん等おしゃべり組は胸キュンソングを紹介しあったりしてました。
挙げ句の果てにback numberや嵐の曲を流して口ずさむ我々……。
自由すぎましたがなんだかほんとの学校の休み時間みたいで、とっても楽しかったです。


なんだかんだで今回も思いのほか長くなってしまいました。いつもこんなこと言ってる気もしますが…笑

それでは、今日はこの辺で!!


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