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2019.09.01 彩ふ読書会・課題本読書会『あのこは貴族』ざっくりレポート①

はい皆さんこんばんは!!!
もはや芸人風のこの挨拶から抜け出せなくなっている私です!笑

今日は張り切って、先日行われた課題本『あのこは貴族』読書会のレポートを書いていきますよ〜!
何を隠そうこの課題本、推薦したの、私!!!笑
前に課題本に推薦した『昨夜のカレー、明日のパン』の時にはレポート書く書く言っときながら結局書かなかった前科があるので……笑
今回はちゃんとやります。

では早速、ネタバレ満載のレポートに移っていきますね!
今後読む予定がある方は読み終わってからここに戻ってくるように!笑
それでは物語のあらすじをどうぞ!


〜あらすじ〜
東京生まれの華子は、20代後半で恋人に振られ、名門女子校の同級生が次々に結婚するなか焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、地方生まれの美紀は、美人ながら32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。ひとりの男をきっかけに境遇のまったく違うふたりが出会うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。

以上が公式サイトからの引用です。そしてここからがネタバレ。

みなさま御察しの通り、幸一郎に二股をかけられていた華子と美紀。
二人は華子の友人・相楽さんによって引き合わせられ、奇妙な友情を結ぶことになります。
美紀はこの出会いをきっかけに生産性のない幸一郎との関係を断ち、華子は幸一郎への漠然とした不信感を抱えつつも結婚。
幸一郎への牽制のため結婚式に呼ばれた美紀は、華子や幸一郎たち「貴族」階級の人間への憧れを自覚しつつも、その窮屈さに自分が「貴族」でないことに安堵も覚えるのでした。
一方で華子と幸一郎の結婚生活は案の定すれ違いばかり。美紀との出会いによって自省を重ねていた華子は、ついに幸一郎と離婚!
一年後、ヴァイオリニストである相楽さんのマネージャーとして働いていた華子は、出向いた仕事先で幸一郎と再会。顔色を伺ってばかりいた幸一郎と、華子は対等に話ができるようになっていました。
そして美紀は地元の友人・平田さんと地方活性化をコンセプトにした会社を起業。自分らしく前向きに人生の舵を切り始めた美紀の姿で、物語は終わりを迎えるのでした。




さて、この日の課題本読書会には女性11名、男性6名、計17名の方が集まっていました。
A、B、Cと3テーブルに分かれて話し合い、私はBテーブルでした。男性2名、女性3名のグループです。
私はこの女子の本音というか手の内を明かしまくっている本を読んで男性がどう思うのか知りたい、
またそれぞれの人生経験や価値観が滲み出て激論になるような会にしたいと思い、この本を課題本に選びました。
果たしてどんな意見が出たのでしょうか…!


<Bテーブル>
まずはお一人ずつ作品への感想や気になった点を話していただきました。
最初は男性サポーターさんから。

「華子のお見合いがコメディチックで面白かった。軽い気持ちで読み始めたけど、次第に読んでいて生々しくてダメージを受けた。女子3人(華子、美紀、相楽さん)の結束が面白かったが、家柄のレベルによって華子と相楽さん対美紀、と2対1の構図で話しているのも印象に残った。日本が『階級社会』であるという言及には納得。ラストに救いがあり、読後感は悪くなかった」。

私は華子のお見合い描写についてはもうひたすらに抉られていたので笑、「コメディチック」という感想が新鮮でした!
2対1の構図ですが、男性への接し方については、相楽さんと美紀対華子、と組み合わせが変わるのが面白いですよね。
続いて初参加の女性の方。

「婚活など、コメディチックだが読んでいて『うわあ…』となる描写が多かった。華子は幸せな家庭を築くことではなく結婚することがゴールになってしまっていたので、しんどそうだなと思った。自分も上京した経験があるので、上京組の美紀に共感した。登場人物たちが自分の感情を無視しない結末にホッとした」。

この方の「婚活描写にうわあ…となった」という感想にちょっとホッとした私がいました。私だけじゃなかった…と。笑
「自分の感情を無視しない結末」、良いですよね。自分を置き去りにしないというか。本心に立ち返るのって難しいけど大事だよなぁと思います。
続いてこちらももうお一人の初参加の女性の方から。

「華子の生活が自分とまるで違って別世界のようだった。庶民代表の美紀に共感したし、幸一郎とのダラダラした関係性もありえそうだと思う。美紀は幸一郎と苦しいながらも決別して、今を生きられて良かった。あと華子が着ていたワンピースのブランドが気になって調べたら、値段がとても高かった」。

ここでついに華子のセレブぶりに着目した発言が。
皆でそのブランドのワンピースを検索してみたところ、一着¥77,760と表記が……。
一同、ななまんえん、とボソボソ呟き、しみじみとその値段の重みを噛み締めました……。
続いて男性サポーターさんの感想。

「対照的な華子と美紀の姿が印象に残った。華子の婚活がコメディチックで面白い。上京したミキティ(美紀の愛称)に共感。幸一郎の浮気はクズだけど、家柄に縛られて自由がないのはある意味可哀想だと思った。またP.227(文庫版)からの華子の長台詞が印象に残った。すごいお金持ちでも悩みを持ってる人もいるんだろうな、と。華子の友人・相楽さんが良い友達だなと思った」。

他テーブルにもいらっしゃったのですが、美紀をミキティと呼ばれる方が意外と多かったです。親近感が湧きやすいキャラだからでしょうか。かく言う私も引きずられてこの日はミキティと呼んでましたが……笑
また、この方が挙げられた長台詞は、この作品での華子の葛藤を表す言葉でもあるので、少しご紹介します。自分の人生や経験はすべて親のお膳立てによって作られたもので、自分は何もないつまらない人間だ、と美紀に明かした華子は、こう続けます。

「だからこそこんな自分は、結婚するしかないだろうって思いました。自分の力で生きていけない平凡な女は、結婚するしか道はないんです。だから、すごく焦ってたんです。誰かが用意してくれる人生にうまいこと乗っからないと、自分の人生を、自分の力で先に進めることができないって、知ってたから」

私がこの作品を初めて読んだ時、この作家はここまで書くのか、と戦慄した部分です。漠然と見ないふりをしていた本音をきっちり言葉にして突き付けてくる、それが私の思う山内マリコさんの魅力です。

そして最後に順番が回ってきた私は、こう話しました。

「リアルな女性の本音を描く前半から一転して、後半の女性たちの連帯は、夢物語であると同時に作者の希望でもあると思う。でも、あれだけ情緒不安定だった華子が、自分の本質を変えずに自己肯定感を持てるような仕事に就いているラストから、この作品はとても優しい物語だと感じた」。

離婚を経て華子が就いた仕事は、あくまで相楽さんのアシスタント、もしくは身の回りの世話に過ぎないのかもしれません。
それでも、華子が幸一郎に自信を持って仕事について話せている。あれだけ卑屈だった華子が自分で自分を肯定できている、それだけでもう十分じゃないかと、私は思います。
当たり前のように見えるのかもしれないけれど、実はとても大切なことではないでしょうか。



…まだ話し合いの序盤を書き起こしたところですが、眠気の限界が来そうなので、一旦切り上げようと思います。
ざっくりレポートのはずが全然ざっくりじゃない!こんなはずでは!次こそざっくりと最後まで書き上げたいと思います!笑

それでは、今日はこの辺で!




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